駐車場経営を始めたものの、思ったほど収益が伸びず「儲からない」と感じている方は少なくありません。実は収益性が低くなる原因には共通点があります。
本記事では駐車場経営が儲からない理由と収益改善策、利回りを高める運営方法に加え、選択肢のひとつとなるトランクルーム経営についても解説します。
駐車場経営は儲からない?収益性が低くなる3つの原因
駐車場経営は初期費用を抑えて始められる土地活用として人気ですが、実際には収益が伸び悩むケースが目立ちます。原因として大きいのが、固定資産税や都市計画税の負担の重さ、土地の利用効率の低さ、そして競合増加や需要低下による稼働率の低下です。それぞれの原因を理解し、自身の土地に当てはまるかどうか確認しながら読み進めてください。
固定資産税・都市計画税の負担が住宅用地より重い
駐車場用地は住宅用地の特例が適用されず、固定資産税の負担が重くなりやすいという課題があります。住宅用地は200㎡以下の部分について固定資産税評価額が6分の1に軽減されますが、駐車場はこの特例の対象外です。そのため、同じ評価額の土地でも住宅用地と比べて駐車場の固定資産税は最大6倍に達するケースがあり、収益を圧迫する要因となります。保有する土地に建物を併設して住宅用地として一体利用できないか、まずは検討してみましょう。
土地活用の方向性によって税負担が大きく変わるため、早い段階での見直しが重要です。
土地の利用効率が低く収益に上限がある
駐車場は平面利用が基本のため、同じ面積のアパートや商業施設と比べて収益の伸びしろが限られます。建物のように上層階を活用できず、収容できる台数は土地面積によって物理的に決まってしまうためです。同じ100坪の土地でも、アパート経営なら複数戸から賃料を得られる一方、駐車場では台数分の駐車料金にとどまります。土地の利用効率を高めたい場合は、後述する運営方式の見直しや他の土地活用方法もあわせて検討してみてください。
とくに変形地や狭小地では、そもそも駐車場としての収容台数を十分に確保できず、投資額に見合った収益を得にくいケースもあるため注意が必要です。
競合増加・需要低下による稼働率低下のリスク
周辺エリアの駐車場が増加すると、稼働率が下がり収益に直結してしまいます。駐車場経営は参入障壁が低く、近隣に同様の土地活用を行うオーナーが現れやすい業態だからです。コインパーキングの表面利回りは15〜30%と高めに見えても、稼働率が10%下がるだけで実質利回りが大きく低下する例が報告されています。定期的に周辺の競合状況をチェックし、稼働率の変化に早めに気づける体制を整えましょう。
稼働率の低下は徐々に進むことが多いため、月ごとの推移を記録しておくと変化に気づきやすくなります。
駐車場経営の収益改善策と利回りを高める3つのポイント
収益性の課題を理解したら、次は具体的な改善策を検討する段階です。運営方式の見直しによる収益の底上げ、表面利回り、実質利回りを踏まえた収支の見直し、そして稼働率を高める料金設定や集客の工夫が、利回りを高めるための重要なポイントになります。自身の駐車場に取り入れられる施策がないか、確認しながら読み進めてください。
月極とコインパーキング、運営方式を見直して収益を底上げする
運営方式を見直すことで、同じ土地でも収益性を改善できる場合があります。月極駐車場は安定収入が期待できる一方、コインパーキングは稼働率次第で高い収益を狙える特徴があるためです。月極駐車場の表面利回りはおよそ5〜15%であるのに対し、コインパーキングは15〜30%程度とされており、立地条件次第では切り替えによる収益向上が見込めます。立地の特性を踏まえて、自身の土地にどちらの方式が合っているか比較検討してみてください。
月極とコインパーキングを併用し、時間帯や曜日によって利用者層を分けることで、稼働率をさらに高められる場合もあります。
表面利回り・実質利回りを使った収支の見直し方
収支を正確に把握するには、表面利回りだけでなく実質利回りも確認することが欠かせません。表面利回りは満車想定で経費を含まない数値であるのに対し、実質利回りは維持管理費や税金などの諸経費を差し引いて算出するためです。実質利回りは、年間収入から年間経費を差し引いた金額を、土地価格と初期費用の合計で割り、100を掛けて算出します。同じ表面利回りの土地であっても、この計算を行うことで実質利回りには大きな差が生まれます。
定期的に実質利回りを計算し直し、経費が収益を圧迫していないか確認する習慣をつけましょう。
稼働率を高める料金設定と予約アプリ・IT活用など集客の工夫
稼働率を高めるには、料金設定の見直しと集客手段の多様化が有効です。近年は予約制の駐車場アプリやIT管理システムの普及により、空き状況をリアルタイムで公開し利用者を集めやすくなっています。周辺相場に合わせた柔軟な料金設定や、駐車場予約アプリへの掲載は、新規利用者の獲得につながる具体的な手段です。まずは自身の駐車場が予約アプリに対応できるか、運営会社に相談してみてください。
収益改善が難しい土地には「トランクルーム経営」という選択肢
収益改善策を試しても効果が限定的な土地もあります。そうした場合に検討したいのがトランクルーム経営です。ここでは駐車場経営との違いや、転用が向いている土地の特徴、切り替え前に確認すべき注意点を紹介します。駐車場以外の選択肢として、参考にしてください。
トランクルーム経営とは?駐車場経営との仕組みの違い
トランクルーム経営は、コンテナや倉庫スペースを収納用として貸し出し、賃料を得る土地活用方法です。駐車場と異なり収納物の保管が目的のため、立地の駅近条件よりも周辺人口や生活動線が重視される傾向にあります。トランクルーム市場は年々拡大しており、2020年には約800億円規模に達したとする調査もあり、今後も成長が見込まれています。駐車場との違いを理解したうえで、自身の土地に適した活用方法かどうか見極めていきましょう。
近年は自宅の収納スペース不足を補う目的で個人利用者が増えているだけでなく、法人が書類や在庫の保管先として契約するケースも見られ、需要層の幅広さが市場拡大を後押しをしています。
駐車場からの転用が向いている土地・オーナーの特徴
駅から離れた立地や、周辺に住宅街が広がる土地は、トランクルーム経営への転用が向いています。駐車場ほど駅近立地に依存せず、住宅の収納不足を補うニーズを取り込みやすいためです。屋外型トランクルームは郊外エリアでも需要が見込め、コンテナを設置するだけで始められる手軽さから、駐車場からの転用先として選ばれています。自身の土地が駅から離れている、または住宅街に近いという方は、トランクルーム経営を候補に入れてみてください。
切り替え前に確認すべき需要調査と運営会社選びの注意点
トランクルーム経営に切り替える前に、需要調査と運営会社の比較検討を欠かさず行いましょう。参入障壁が低く競合が増えやすい業態のため、事前調査を怠ると想定した稼働率を確保できない可能性があります。自己運営型は利回り20%以上を狙える反面、集客や管理の負担が大きく、業務委託型やフランチャイズ型は利回りがやや下がるものの手間を抑えられるという違いがあります。
複数の運営会社から資料を取り寄せ、自身の土地に合った契約形態を比較したうえで判断することをおすすめします。契約期間や中途解約時の違約金の有無についても、事前にしっかり確認しておきましょう。
まとめ
駐車場経営が儲からないと感じる背景には、固定資産税の負担や土地の利用効率、稼働率低下などの要因があります。まずは運営方式や料金設定を見直し、実質利回りを確認しながら収益改善に取り組みましょう。それでも改善が難しい土地については、トランクルーム経営への転用も有効な選択肢です。
駐車場とトランクルームでは求められる立地条件や運営の手間も異なるため、どちらが自身の土地に適しているかを冷静に見極めることが大切です。
自身の土地条件に合った方法を見極め、ぜひ収益性の高い土地活用を実現してください。
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引用元:https://www.inaba-box.jp/landuse/